新聞配達のバイトをした話。経験談

新聞配達のバイトをした話。経験談

高1の夏休み、人生で初めてアルバイトをした。

その当時は、高校生アルバイトは禁止の学校が多く、もしアルバイトをしてるのを、先生にバレたら停学処分になる。

私が通ってた学校は2回の停学で退学処分のきまりだった。

だが私は、高校生になれば働いてみたいと強烈に思い、考えに考えた末「新聞配達ならばれないんじゃね?」

と思い、祖父に相談した。

私はおじいちゃん子だった。

母は私が小3の時に亡くなっており、父は、長距離トラックドライバーで週に2回しか家に居ないので、

祖父が一番の相談相手だった。

(祖母は私が生まれる前に亡くなっている)。

近所の新聞屋に祖父の紹介でアルバイトさせてもらうことができた。

だがすぐ問題が起きた。

新聞配達は普通バイクで配達するのだが、私はバイクの免許が無い。

自転車か…

自転車でも新聞を置くカゴが前にしかない。

チャリで新聞配達

祖父に相談したところ、後ろの荷台にもカゴを取り付けてもらうことにした。(新聞を折りたたまないでも置ける大きなカゴ)

初バイトの日、新聞屋の店主に朝4時に来てくれ、といわれていたので、

初日に遅刻はだめだろうと思い、オールナイトニッポンを聞きながら徹夜した。

おはようございます。よろしくお願いします。軽めの挨拶をして、店主に教わりながら新聞をくくりつけた。

最初の3日は、店主と並走して、コースを覚えると言うものだった。

私が配るコースは、バイクで10分ほど走った場所にある港のコースだった。

店主はバイクに足早にまたがり、

「じゃあ付いてきて」といいバイクを走らせた。

私は「あーゆっくり並走してくれるんだな」と勝手に思っていたが、

すぐに見えなくなった。

「ヤバい」と思い、とっさに全力立ちこぎでバイクのテールランプを目印に追いかけた。

体感で100〜200メートルだろうか、きちんと曲がる所で店主が待っててくれたから見失わなかったが、必死に付いて行った。

徹夜でこれは、しんどいとおもった。

港のコースに行く道中で、新聞を8件ほど配り、小さな山を超えて、港にいくみたいだ。

「良かった。なんとかついていける」

だが私の足はフル立ちこぎで悲鳴をあげていたのはいうまでもない。

なんとか終わり、店に帰ってくると帰り際に、その自転車のカゴだけでは、コースの新聞全部乗らないよ。といわれた。

分かりました。カバン背負って行きます。と答え、お礼を言って家に帰った。

家に帰ると祖父がお疲れ様といってくれた。

時刻は6時半を回っていた。

その後その日の夕方まで寝てしまっていたのは言うまでもない。(寝るのが趣味)

2日目も筋肉痛になりながら、店主のバイクに食らいつき、新聞を配ったが、自転車を漕ぐのに必死でコースを全然覚えてない事に気付いた。

店にもどり、新聞を配るコースの地図をもらい、その足で確認をしながら一軒一軒回った。地図が大きいので、じゃまになると思い、手帳に自分で分かるように書き直して覚えた。

全部で140軒配るコースらしい。

多いのか少ないのかはしらないが、

私が1人で配るのはそれが限界の量だった。(カゴもカバンもパンパン)

4日目

いよいよ1人だ。

ドキドキした。

配れるかな?間違わないかな?

と一抹の不安をよそに、一軒一軒配達していく。

ある家の前で問題が起きた。

新聞をポストに入れると、犬が吠えてきた。

大きい。

ドーベルマンかな?

犬

怖いなと思い自転車を漕いだが、その犬が私の横にいるではないか!

噛まれると思ったが、噛まれなかった。ただめちゃくちゃ吠えてる。

怖い。怖すぎる。夜明け前なので視界が悪いので余計にパニックになり自転車で必死に逃げた。

店主と配ってる時は、全然気配がなかったのに…

その後、犬に吠えられなくなるまでに二週間かかった。(長)(-_-;)

結構慣れてきた。

だが雨の日は最悪だ。

新聞はビニールに入れて、わたしもカッパをかぶっているのだが、どうしても、ポストに入れる時に、腕の隙間から雨がたれて、新聞をぬらしてしまう。

今でこそ新聞1部ずつにビニールがかけられて、濡れないようにしてあるが、自分がバイトしていたこの新聞の店では、されていなかった。

何部かびしょ濡れになってしまった。

水濡れ

予備は自分用の一部だけ。

その時は、店にもどり新しい新聞に交換して配達した。

早起きして運動がわりにバイトして、朝ご飯を祖父と一緒に食べる。

学校の時は、時間ギリギリまで寝るのが当たり前な生活をしていたので、すごく新鮮だった。

しかし休みが月1しかなく、朝が早いので、夏休み終わったらどうしようか?と考えた。

夏休みが終わった。

学校が始まったら、朝起きるのが辛くなった。

学校で寝ることが多くなった。

これはさすがにダメだなと思い

2ヶ月で辞めた。

辞めると言った時の店主の顔が怖かった。

1ヶ月のバイト料は約7万8千円だった。

多いのか少ないのか分からない。

時給も聞かずに入ったから計算方法なんて分からない。

でも初めて自分が働いて貰うお金に喜びを感じたのも事実。

そのお金で祖父に何かプレゼントしようとおもったが、ともが自分で稼いだお金だから、自分の為に使いなさいと言ってくれた。

自分はこの頃からあまり物欲がない。

そもそもアルバイトしようとしたのは欲しい物を買う

ためではなく、ただただ働いてみたいという欲だけ。

貯金しようと思った。

次は何処でバイトしようかなと思いながら、新聞のチラシの求人広告をながめる。

次はラーメン屋でアルバイトを初める事になるのだが、それはまた別のおはなし。

最後まで読んでくれてありがとうございます。