トラックドライバーの人は1度は聞いた事のある水屋。
決して水屋(利用運送業)を悪いとは思わないが、ドライバーが貰えるはずのお金が水屋に入る仕組みなので、営業マンではないドライバーにとってはシンプルに給料が減る。
仕方ないとはいえ死活問題でもある。
そこでこの記事では利用運送業についてドライバーが知っておいた方が良い知識を書きました。
お先に結論から
- 水屋を利用する運送会社は給料が低い
- ドライバーの仕事内容は運賃が高かろうが安かろうが負担は変わらない
- 水屋は立派な職業
- 根本的な解決は下請けメインの運送会社には就職しない
です。
少しでも参考にしてくれたらうれしいです。
利用運送業とは
運送会社の代わりに配車の段取りをして少しの手数料を運送会社から貰う。
運送会社は拠点の営業は業務でこなすが、拠点のない地域に関しては営業が回れない。
そこで利用運送を利用する。
多くの案件があるので段取りもスムーズになる一方で、その手間賃として運賃から手数料が引かれる。
ここまではどこの業界でもある事。
問題は下請けが非常に多くある上に運送料も安くなると言うこと。
よく聞くのは、下請けでもひ孫下請けまで
4次下請けはよくある話し。
しかし運送業は違います。
その下の5次、6次…ニュースで見ましたが12次下請けまであるらしい。(ほんとならヤバイ)
わたしが経験した事があるのは6次下請けになり荷物を貰った事があります。
6次下請けはまだいい方で、仲が良い他社のドライバーは最高9次下請けになったことがあると言ってました。
シンプルに地獄ですよ。(笑)
電話で対応してもらうのですが、
何故か横柄な態度で対応する水屋が非常に多いです。
個人の感想です。(水屋利用3年)
主に帰り荷物の時に利用
もしも行きの荷物も、もらい荷物ならドライバーの給料は低いです。
通常は拠点近くで積み込みをして登り、帰り荷物の時に水屋を利用します。
水屋によっては、前日に荷物が確定してない所も多く、荷下ろしを完了して、電話を掛けて初めて積荷が確定する場合も多い。
しかも1箇所で積み込みするのではなく2.3箇所での積み合わせも日常茶飯事です。
走り慣れてない地域なのでストレスを感じるドライバーも多い。
「わたしは3年経験しましたが嫌いでしたね。」
「なにより積地が確定するのが当日」
なのがイヤでした。(笑)
荷下ろしが終わってから敷地が広いコンビニや道端までトラックを走らせて駐車して水屋に電話を掛ける。
長い時は1時間近く電話対応しなきゃいけない。
- 「お世話になります。○○運送の○○です。今荷下ろし終わって○○にいるのですが…」
- 「担当者に変わります。」
- 「ハイもしもし○○ですが?」
- 「1番をもう一度言う」
- 「ここに掛けて○○さんが担当だから聞いて」
- 「そこの電話番号を聞く」
- 「はい。わかりました。ありがとうございます。」
- また1番からの繰り返し
- たまに「今席外してるから折り返し連絡します。」があるときなんて10分~20分くらい待つのも普通にある。
- これが最低3~6回程続く。(私の場合)
面倒くさいでしょ?(笑)
運送会社によっては配車係が水屋と段取りをとりドライバーに伝える会社もありますが、自分が居た運送会社は全部自分で段取りしてましたね。
そもそも帰り荷物は割安の運賃
目的地で荷物を降ろしたトラックは、ほとんど出発地点に帰ります。(家に帰れない長距離ドライバーは少し違います)
運賃は片道のみ。
それでも空車で帰るのはコストがかかる。
それなら少しぐらい安い運賃でもいいから荷物を積んで帰りたい。
空車で帰らすよりもまし。
- 安い運賃でもいいから荷物を積んで帰りたい運送会社
- 安い運賃で運んでほしい荷主
本来ならばお互いwinwinな関係で成り立つお仕事だったはず。
ただそこにドライバーが加わるとwinwinwinにはなりません。
会社員ですから会社の利益優先なのは当然なんですが、ドライバー目線で発言させてもらうと
無理に安い運賃で帰るより
空車で帰って積んでまた登った方がよくね?
なんて思ったりするんですよね。
実際そんな運行している運送会社もありますけどね。
ピンハネ
ホントにピンキリで抜く値段は運送会社でちがいます。
通常は5000円~2万円ぐらいですが
下請けになればなるほど抜く値段は下がります。が1000円でもシッカリ引かれます。
でも品質は担保しなきゃならない。
荷主は正規の運賃の場合も・・・
荷主は提携している運送会社があるので物流は丸投げしてます。
窓口は元請け運送会社。
なので荷主は帰り荷物がどこの運送会社が運ぶなんてイチイチ知りません。
荷主にとっては立ち荷(正規運賃)と同じ括りですから。
なので元請けと水屋が儲かるのですね。
もちろん帰り荷物は割安運賃だと、知ってる荷主もいますが。。。
知らない荷主もいますから・・・営業努力と言えばそうなのですけどね。
営業がいない運送会社
営業業務が存在しない運送会社は多くあります。
- 本社の指示通りに業務をこなす支部店舗
- 荷主の傘下にある運送会社
等、新規に営業する必要がなくても仕事が回せる為に営業を必要としないのです。
なので帰り荷物は水屋に丸投げする構図が出来てしまいます。
帰り荷物にまで手が回らないので丸投げした方が楽だからです。
貰えるはずの運賃
水屋に丸投げをすれば当然運賃は下がります。
しかしドライバーの仕事内容は変わりません。
貰えるはずの運賃がドライバーに還元されない。
下請けの運送会社はやめておけ。て誰もが思うはずですよね。
結果
- ドライバーの給料は安くなる。
- ストレスもたまる。
- 会社は改善してくれない。(新規営業しない)
現場ドライバーの評判は悪い
国から認められている立派な事業なのだが…
ドライバーにとっては給料を左右するので良いとは言えない。
水屋と取引がある運送会社には就職しない
これに尽きますね。
その会社を選んだ自分が悪い。
とワタシは思ったので3年で転職しましたね。
相場感が分からなかったので頑張ってしてましたが、やはり割に合わない部分が多く感じていたので。
相場と比較しても明らかに還元が少なすぎましたから…
還元が多いなら問題ないですけどね。
下請けの場合でも往復の荷物を営業して取ってきますので一概に全部悪いとは言えない。
まぁ経験としては良かったとおもっていますが…
運送会社によっては、行きも帰りも水屋の荷物がある運送会社も多いので、ドライバーは疲弊します。
結局のところ運送会社次第なんですけどね。
まとめ
利用運送業は国から認められている立派な事業なのでケチをつけることなんて毛頭ない。
利用運送業の方から見ると、地道な営業努力をして、運送会社の代わりに配車を段取りして、少ない運賃の中から手数料を報酬にする。
地道な作業と信用を積み重ね、数をこなす薄利多売なので利用運送業界も大変な仕事だとは重々承知している。
が、、、ドライバーの目線から考えると、給料に直結するので仕事とはいえ割り切れない部分もあるのもまた事実です。
難しい問題ですが、これからドライバーになる人はこんな事情もあるんだよ~と知っておいた方が良いと思いましたので、参考になれば幸いです。
最後まで読んで頂きありがとうございます。